2019年4月3日、歌手の内田裕也さんのお別れ会が都内の斎場で営まれました。
お別れ会には50年来の親交があったタレントの堺正章さんら約1700人の関係者やファンが参列しました。
娘の内田也哉子さんが遺族代表として謝辞を述べました。
その内容が素晴らしすぎて話題になっています。
今回は、内田也哉子さんの弔辞全文、実感のない父と娘の物語が幕を閉じたについてお届けしていきます。
Contents
内田也哉子の弔辞全文!

本日はお忙しいところ、父、内田裕也のロックンロール葬にご参列いただきまして、誠にありがとうございます。親族代表として、ご挨拶をさせていただきます。
私は正直、父をあまりよく知りません。「わかりえない」という言葉の方が正確かもしれません。けれどそこは、ここまで共に過ごした時間の合計が数週間にも満たないからというだけではなく、生前、母が口にしたように「こんなにわかりにくくて、こんなにわかりやすい人はいない。世の中の矛盾をすべて表しているのが内田裕也」ということが根本にあるように思えます。私の知りうる裕也は、いつ噴火をするかわからない火山であり、それと同時に、溶岩の狭間で物ともせずに咲いた野花のように、清々しく無垢な存在でもありました。
率直に言えば、父が息を引き取り、冷たくなり、棺に入れられ、熱い炎で焼かれ、ひからびた骨と化してもなお、私の心は、涙でにじむことさえ戸惑っていました。きっと、実感のない父と娘の物語が、はじまりにも気付かないうちに幕を閉じたからでしょう。けれども、きょう、この瞬間、目の前に広がる光景は、私にとっては単なるセレモニーではありません。裕也を見届けようと集まられたお一人、お一人が持つ、父との交感の真実が、目に見えぬ巨大な気配と化し、この会場を埋め尽くし、ほとばしっています。父親という概念には、到底、おさまりきらなかった内田裕也という人間が叫び、交わり、噛みつき、歓喜し、転び、沈黙し、また転がり続けた震動を、皆さんは確かに感じ取っていた。
「これ以上、お前は何が知りたいんだ」
きっと、父もそう言うでしょう…。
そして、自問します。私が唯一、父から教わったことは、何だったのか? それは、たぶん、大げさに言えば、生きとし生けるものへの畏敬の念かもしれません。彼は破天荒で、時に手に負えない人だったけど、ズルイ奴ではなかったこと。地位も名誉もないけれど、どんな嵐の中でも駆けつけてくれる友だけはいる。
「これ以上、生きる上で何を望むんだ」そう、聞こえてきます。
母は晩年、自分は妻として名ばかりで、夫に何もしてこなかった、と申し訳なさそうに呟くことがありました。「こんな自分に捕まっちゃったばかりに…」と遠い目をして言うのです。そして、半世紀近い婚姻関係の中、折り折りに入れ替わる父の恋人たちに、あらゆる形で感謝をしてきました。私はそんな綺麗事を言う母が嫌いでしたが、彼女はとんでもなく本気でした。まるで、はなから夫は自分のもの、という概念がなかったかのように。勿論、人は生まれもって誰のものでもなく個人です。歴とした世間の道理は承知していても、何かの縁で出会い、夫婦の取り決めを交わしただけで、互いの一切合切の責任を取り合うというのも、どこか腑に落ちません。けれども、真実は、母がその在り方を自由意志で選んだのです。そして、父もひとりの女性にとらわれず心身共に自由な独立を選んだのです。
2人を取り巻く周囲に、これまで多大な迷惑をかけたことを謝罪しつつ、今更ですが、このある種のカオスを私は受け入れることにしました。まるで蜃気楼のように、でも確かに存在した2人。私という2人の証がここに立ち、また2人の遺伝子は次の時代へと流転していく…。
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この自然の摂理に包まれたカオスも、なかなか面白いものです!
79年という永い間、父がほんとうにお世話になりました。最後は、彼らしく送りたいと思います。
Fuckin’ Yuya Uchida,don’t rest in peace just Rock’n Roll!!!
2019年4月3日
喪主 内田也哉子
内田也哉子さんの弔辞の文章を読むと、生前の内田裕也さんと過ごした数週間を偽りのないまっさらな気持ちで綴っています。
破天荒で自分自身の想いのままに79年の生涯を駆け抜けた内田裕也さん。
私という2人の証がここに立ち、また2人の遺伝子は次の時代へと流転していく…。
心に刺さりました。
実感のない父と娘の物語が幕を閉じた!

内田也哉子さんと内田裕也さんは親子ですが、
一緒に居た時間は数週間だそうです。
それを思わせないような内田也哉子さんの弔辞の一言一句は
普通の親子関係を超越した文章です。
内田也哉子さん弔辞全文へのネットの反応
内田也哉子さんの謝辞全文読んだ。読んで良かった
— miho-mochiko (@miho_mochiko) 2019年4月4日
内田也哉子氏の弔辞 カッコイイな ロックだ
— ゆう (@braverymkr) 2019年4月4日
内田也哉子ちゃんのロケンローご挨拶かっこいいな
— junkom (@junrebun) 2019年4月4日
自分の言葉に酔わず、言葉を血肉化させた人の見事な文章。これを読み上げる声の低いトーン、意志の強さを感じる眼差しがまた説得力を倍加させていた。「ただロックンロールするのみ」。
内田也哉子さん謝辞全文(スポニチアネックス) – Yahoo!ニュース https://t.co/lqM4wD4k4G @YahooNewsTopics
— the_spoiler (@don_jardine) 2019年4月4日
内田也哉子さんの謝辞は人の心を揺さぶるようなかっこいい文章です。
内田也哉子の弔辞全文!実感のない父と娘の物語が幕を閉じた!まとめ
いかがでしたか?
内田也哉子さん弔辞全文!実感のない父と娘の物語が幕を閉じた!
と題しておおくりしてきましたが、
お二人の関係は親子の関係を超越していたのかもしれません。
実の父親を彼と呼ぶところもかっこいいです。
以上で、内田也哉子の弔辞全文!
実感のない父と娘の物語が幕を閉じた!
まとめを終わります。
最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。